鹿児島県姶良郡隼人町「日当山温泉」観光旅行ブログ日記

トンチ話の「しゅじゅどん橋」

「なるほどなあ」

鹿児島県姶良郡隼人町(現、霧島市)日当山温泉公園を観光旅行しているわたし。

その日当山温泉公園端の清らかな天降川に架かる「しゅじゅどん橋」の案内板をみてわたしはうなってしまった。

地図に「しゅじゅどん」という面白い名の橋があるのをみつけ、気になったのでやってきた。

しゅじゅどん橋は、真新しい歩行者用の幅の狭い橋だった。

橋にある案内板によると「しゅじゅ(侏儒)どん」とは、島津第十八代家久公に仕えた日当山の村長さんの名で、「しゅじゅ」とは一寸法師、「どん」とは鹿児島の方言で「様」という意味で、本名は徳田大兵衛という身長がわずか九〇センチの方だったそうだ。

じつは、この方がひじょうに機転のきいたトンチの方で、亡くなられてから三五〇年以上たった今でも、数多くのトンチ話が日当山で語りつがれているそうだ。

案内板にはトンチ話の一つがのっており、その話しを読んで思わずうなずいてしまったのだ。

その話しとは…

ある日、しゅじゅどんを困らせようとした殿様が、しゅじゅどんに茶の実のない時期に「日当山の茶の実をもってこい」と命令したところ、しゅじゅどんは考え、日当山で一番の「茶飲み」のおばあさんを殿様の待つ城へ連れていき、殿様を驚かせたそうである。

さらに、負けじと殿様が「おばあさんでは茶の実は『生えない』だろう」と言ったところ、しゅじゅどんは、おばあさんに「座敷を『這って』みなされ」と言ったそうである。

そんな話しにうなずきながら周囲の景色をながめていたろころ、観光旅行地・日当山温泉は好条件がそろっている温泉ということに気がついた。

河川敷に広い芝生がひろがる日当山温泉公園、霧島山系から流れ出た天降川。

そして、霧島連山を見わたすながめのよいこの「しゅじゅどん橋」があり、そこには笑いを誘うトンチ話がある。

日当山温泉は、風呂あがりにでもゆっくり散策したくなるほどいい温泉地だ。

今わたしは金も無い身で、入ることはできないが、いつか湯でほてった身体を天降川の風で冷やしながら、周囲を歩いてみたいものだ。

 

鹿児島県姶良郡隼人町・日当山温泉街を歩く

その後、わたしは、しゅじゅどん橋のたもとにある日当山温泉の温泉街を歩いた。

わたしは温泉街を歩くのが好きだ。

と、いっても、「飲ん兵衛」ということではない。

温泉街に残る、昔、懐かしい古びた商店を見て歩くのが好きなのだ。

日当山温泉街を貫く幅の狭い通りの両側には、観光旅行客向けの小さな飲食店や商店が並んでいる。

しかし、日当山温泉街のほとんどはシャッターが下りたり、カーテンが閉められ開いていない。

しかし、だいぶ店が連なっているので、昔はだいぶ日当山温泉を訪れる観光旅行客も多かったのだろう。

それほど気をひくような建物はなかったが、それでもとある黒い瓦屋根の色あせた青いひさしの小さな商店には目がとまった。

木の扉が印象的だ。

古さのせいか、扉は波をうつようにゆがんでいる。

通りをさらに歩いていると「ファミリースナック○×」という小さな飲み屋があった。

「ファミリー」と「スナック」とは相反するような言葉のようだが、「ファミリー」とは観光旅行客に入りやすさをアピールしていると何かの本で読んだことがある。

しかし、「ファミリーレストラン」じゃあるまいしねえ…。

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