錦江湾公園~鹿児島県鹿児島市ドライブレジャースポット~

広大な芝生がひろがる「錦江湾公園」へ

「なんとおだやかな光景だろう」

三月下旬、土曜の昼下がり、鹿児島県鹿児島市南部の山にひろがる、鹿児島市のドライブレジャースポットの一つ錦江湾公園の芝生ひろばにやってきたわたしはつぶやいた。

きょうは錦江湾を一望する展望台、広大な芝生ひろば、木々におおわれたキャンプ場などがある大きな公園、錦江湾公園にやってきた。

錦江湾公園は、鹿児島県鹿児島市内にありながら今までおとずれたことがないので足を向けてみた。

目の前には錦江湾公園の黄緑の広大な芝生ひろばがひろがっている。

広がる錦江湾公園の芝生をみていると、こころがおだやかになってくる。

この気持ちが好きでわたしはよくひろい芝生のある公園をおとずれる。

芝生ひろばの先には、鹿児島市南部の緑に囲まれた住宅地、錦江湾沿いに開けた港湾地帯がひろがっている。

「めずらしいなあ」

いつも、鹿児島市内の景色をながめるときは、市北部のビルやマンションがつらなる中心部の景色しかながめたことがなかったので、南部の住宅地、港湾地帯の景色はわたしにとってはめずらしかった。

 

ゆかいなアスレチック

「アハハハハッ」

笑ってしまった。

錦江湾公園の芝生ひろばの隅から小高い山の斜面につづくアスレチックの案内板がおかしかったのだ。

何でもないアスレチックを、鹿児島の景色にこぎつけて説明しているからだ。

それが強引にみえておかしかった。

例えば、単に丸太を地面にならべたデコボコ道なのに「鹿児島市は島津氏七七万石の城下町として栄えたところです。市は緑におおわれた城山を背景に市街がひらけています」とある。

また、単に網が張られたジャングルジムのような遊具なのに「市の中心を、郡山町八重山に源を発する甲突川が流れ、紺碧の鹿児島湾(錦江湾)に注いでいます」とある。

そんな調子で小高い山の頂上まで二〇もの遊具がつらなっているのだ。

なんとしても、なんでもないアスレチックを鹿児島の景色にこぎつけようとする製作者の熱意がわたしには失礼ながら、おかしかった。

実際のところはわからないが、もしかしたら、市のおエライさん方が意地になって「アスレチックは鹿児島の景色に同化させなければいかん!」と音頭をとってつくったのかと思うと余計におかしかった(多分ちがうだろうけど)。

皮肉にも子どもたちは、そんな案内板を読むことはせず、どんどん先へアスレチックをすすんでいった。

 

網戸のあるトイレ

「初めてみた」

錦江湾公園の一角、植物園にあるトイレの入口には網戸の扉が設けられ、それを開け閉めして出入りするようになっていた。

網戸の扉があるトイレはいままでみたことがない。

トイレのまわりには植物園、その先には木々におおわれた山がつづいているので、そうとう虫が多いのだろうか。

 

木陰のあるキャンプ場

「いいキャンプ場だ」

木々に囲まれた錦江湾公園のキャンプ場をみてわたしはうなずいた。

わたしは植物園を過ぎたところにあるキャンプ場までやってきた。

木々におおわれた山の斜面には、畳三帖ほどの大きさの木の台が点在している。

その木の台にテントをはるようになっている。

木陰のサイトは、自然が感じられていい。

こんな木々におおわれたサイトはなかなかガイドブックをめくってもみつけられない。

最近は、これとは正反対のオートキャンプ場というのがあるらしいが、わたしは気に入らない。

とまったことはないが、ちらっと見て歩いたことはある。

オートキャンプ場は、木陰もない単なるひろい敷地で、分譲住宅のようにきっちりと仕切られ、となりのサイトとの間隔が狭い。

ここまできて、生産性、効率主義をおしつけるのか。

なにしろ、サイトに車が乗り入れられるのが気に入らない。

エンジン、カーオーディオの音はうるさくないのか。

サイトにコンセントまでそなえているものまであるそうだが、そこまでくると、これは、本当にキャンプなのだろうか。

自然にきたのだから自然を楽しめばいい。静けさを楽しめばいい。

テレビ、ラジオ、灯りなど電気のない夜の静けさ、暗やみ。

昼には味わえない朝、夜の野山の雰囲気。

直火の素朴さなど。

それらを楽しみにキャンプをするわたしには、オーディオやコンセントのあるキャンプはおもしろくもなんともない(と、エラソウなことをいいつつ今年の夏あたりオートキャンプ場でほほ笑む自分の姿があったらお笑いだ)。

 

犬はいやしてくれる

小さな白い犬パピヨンがベンチにこしかけたわたしのひざにのった。

錦江湾公園をひとまわりし、錦江湾公園入口近くのベンチで休んでいたところ、首輪をはずされたパピヨンがやってきたのだった。

飼い主の初老のおじいさんと雑談。

おじいさんは、犬がいるといやされると笑っていた。

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