●桜島への愛着ぶり
「ふうっ」
三月中旬、土曜の昼下がり。
郊外へむかう車で渋滞する鹿児島県鹿児島市街地の道路をぬけ、やっと鹿児島県鹿児島市北部にある吉野公園にたどりついた。
吉野公園は、鹿児島市にあるドライブレジャースポットの一つとしても有名なところ。
きょうは、ひさしぶりに乗ったバイクになれるためにも近場から攻めようと、広大な芝生ひろば、錦江湾や桜島を一望する展望台がある県立のおおきな公園、鹿児島県立吉野公園にやってきた。
吉野公園入口の門まで来ると、延びる通路の先には、ゆうぜんとそびえる桜島の姿。
昨日、おとずれた「かごしま健康の森公園」も、同じように入口からつづく通路の先に桜島の姿があった。
公園の配置に鹿児島の人の桜島に対する愛着ぶりが伺える。
●無料の双眼鏡に感激
「ラッキー」
吉野公園展望台に備えつけられた、双眼鏡を見て、わたしは思わず心の中で叫んだ。
普通の観光地なら硬貨を入れる必要がある双眼鏡が、ここでは無料だったのだ。
今まで双眼鏡などのぞいたことはなかった。
飛びつくようにのぞくと、錦江湾の先、鹿児島近郊の隼人町、国分市の街なみが、家一軒一軒、くっきりとよく見える。
次に、錦江湾を挟んだ向かいにそびえる桜島の麓の集落をみると、人の姿まではっきりみえる(これではおちおち鼻などほじってられん!)。
さらに、桜島の頂上の山肌がゴツゴツした様子をながめた後、鹿児島市街地をのぞく。
自分が日々くらす寝グラを探す。
が、寝グラは、その向かいにたつ大きなマンションの影だった。