●ながめのよい「城山公園」へ
「城山公園」と書き「しろやま公園」かと思ったら、入口に「じょうやま公園」とあった。
三月下旬(二〇〇二年)、日曜、昼前。
きょうは、鹿児島県日置郡伊集院町(現、日置市)にある城山公園へ散歩日帰り小観光旅行をしにやってきた。
鹿児島県日置郡伊集院町の観光旅行地、ドライブレジャースポット「城山公園」へはまだおとずれたことがないので足を向けてみた。
そばにある案内板をのぞくと城山公園は、駐車場前に小高くそびえる山に芝生のひろばや城跡などがひろがる公園のようだ。
「あれは山ではないか」
城山公園内にある展望台から景色をながめていた私は思わず目をみはった。
城山公園内にある展望台からは、薩摩半島の中ほどにある金峰山がくっきりとみえた。
薩摩半島の「付け根」にあたる伊集院町からは、もっと遠くにあるとばかり思っていただけに、声をあげてしまった。
後ほど地図で確認すると、直線距離で二〇キロ近くだった。
伊集院町から金峰山は、もっと遠くにあるイメージがあったが、直線距離では、以外と近かった。
そばに掲示してある展望写真には、はるか先にある霧島連山の姿が写っている。
しかし、きょうは曇っているせいか見えない。
それにしても、この城山公園の展望台がある伊集院町は県西部にあるのに、県の東部、宮崎県境に近い霧島連山まで見渡せるとは、すごい展望台だ。
しかも、展望台は、伊集院町の中心部からほど近いにもかかわらずよく遠くまでみえるものだ。
●温泉施設「ゆすいん」へ
城山公園をあとにし、鹿児島県日置郡伊集院町郊外にある公共の温泉施設「ゆすいん」へ向かった。
温泉に入るつもりはないのだが、どんなところか気になった。
ゆすいんはプール、トレーニングルーム、レストランなどがある大きな温泉浴場。
しかし、「ゆすいん」とは大分の「ゆふいん(湯布院)」と何となく似ている、と思うのは私だけか。
名前の由来はわからないが、わざわざひらがなで記すあたりは、やはり意識したのだろうか。
真新しい大きなコンクリートの建物、ゆすいんの中に入ると以外にも人が少ない。
立派でひろい最近の公共の温泉施設は日曜の午後などは、人でごったがえすものだと思っていたのだが、ひろい大広間には二組ほどのグループしか休んでいない。
イスがならぶロビー、二階のスポーツジム、野菜、つけものなど伊集院町の地場産品がならぶ土産店にもほとんど人の姿はない。
伊集院町に住むみんなは、どこへ行ったのか。
先ほどおとずれた、桜の名所、城山公園も人は少なかったので花見ということはなさそうだ。
ほど近い鹿児島市内でショッピングだろうか。
●ライバル
「ライバル同士のスーパーが向かいあって建つとはめずらしい」
ゆすいんを後にした私は、鹿児島県日置郡伊集院町のJR伊集院駅裏を歩いていた。
伊集院町は「町」にしては街の規模が大きいので少し街中を歩いてみたかったのだ。
駅裏には、地場スーパーである「タイヨー」と県外資本のスーパーである「寿屋」が道路をはさんで向かいあって建っている。
いずれもスーパーにしては大きな建物で、ちょっとしたショッピングセンター並みのひろさだ。
ふた方のスーパーの屋上には、スーパー名を記した大きな看板がそびえ、向かいあっている。
まるで「どうだ」と言わんばかりに互いにケンカを売っているようにわたしにはみえる。
しかし、昨年暮れに経営破たんした寿屋の中はすでに真っ暗でもうケンカの決着はついているのだけれども。
(その後、寿屋の店舗は、地場スーパー大和が引き継ぎ、再び営業をはじめている。二〇〇二年六月現在。)