●鹿児島県桜島の「北半球」を走る
鹿児島県桜島を原付バイクで観光旅行しているわたし。
鹿児島市へ向かうフェリーが発着する桜島町の鹿児島フェリーターミナルより時計回りで、桜島の北の方から桜島を周遊観光旅行中。
海沿いをずっと走るのかと思ったら桜島の道路はやがて山手に入った。
桜島の海辺よりも一段も二段も高いところを走る。
桜島を走っていると、道端には「退避壕」と記されたバスの待合所のようなコンクリートの小屋がある。
桜島が噴火したさいに避難するのだろう。
さらに桜島を進むと、県央部、隼人町沖に浮かぶ島がみえる。
「そうか、もうそのあたりまできたのか」
しばらく進むと一面に溶岩が横たわる荒涼とした風景があらわれる。
やっと火山のある桜島らしい景色になってきた。
あたりは灰がまっている。
ヘルメットをしているのに口の中ザラザラ。
目も痛い。
身体の露出の多い原付にはツライ。
後ろからきた観光旅行客らしき車がわたしのバイクを抜いていくたびに灰がまう。
「こりゃ、タマラン」
ほどなくすると、大正時代におこった大噴火の火山灰で埋まった門柱が残るという観光案内板が道端にあった。
「その門はどこだろう。見当たらないなあ」
と思っていたら目の前に埋まっていた。
門柱のてっぺんの四角が、灰の積もった地面から少しだけ顔をのぞかせているだけで気づかなかった。
「アハハハハ、目の前にあったのか」
●錦江湾をみながら昼食
鹿児島県桜島港から延々と走ってきた道はやがて大隅半島との接合部へ入り、大隅半島の錦江湾沿いを走ってきた垂水、鹿屋へと向かう国道220号線とわずかの間合流する。
その後、国道220号線とはすぐわかれ、道は鹿児島桜島の「南半球」へと入っていく。
ここからは国道224号線となり、再び、海辺より一段も二段も高い山沿いを走っていく。
すると、まもなく、一気に視界が開けた。
一面に青い錦江湾が広がる。
左手には大隅半島の緑の山なみがつづいている。
道路沿いにちょうど小さな観光旅行パーキングがあったのでバイクをとめ、ひろがる景色をながめた。
あまりにいいながめだったので、ここで、今朝、家でにぎってきた大きなにぎり飯をほうばり、昼食をとる。
よく晴れた青空の下、目の前にひろがる青い海を目にしながら、自分で握ったおにぎりをほうばりながら、観光旅行の昼のひとときをすごした。