鹿児島県横川町旅行観光日記
●誰も知らない「尾田ノ滝」
「ここかあ」
案内板もないのでまよってしまった。
九州最古の駅舎の鹿児島県姶良郡横川町大隅横川駅(現、霧島市)を見物した後にわたしは、時間があるので地図をめくってみつけた「尾田ノ滝」にやってきた。
今まで公園という人工的なものばかり見てきたせいか、自然が作り出した滝というのをみてみたくなった。
鹿児島県横川町にある尾田ノ滝は大隅横川駅から天降川沿いに少し下ったところにある。
鹿児島県横川町大隅横川駅から天降川沿いを地図をたよりにやってきたが、案内板もないため、とおり過ぎてしまった。
とおり過ぎるのも無理はない。
鹿児島県横川町にある尾田ノ滝は、案内板がないどころか、人にみせるような旅行観光スポットのようにはなっていない。
鹿児島県横川町にある尾田ノ滝は、道路につらなるガードレールをまたいだ向こう、上流で細い流れの天降川にあり、遊歩道もなく、何も手をいれていない自然のままだった。
何も知らない人は道路下に滝があるのも気付かぬままとおりすぎるだろう。
ガードレールを越え、川岸を抜け、滝の方へおりてみると、わたしの身長ほどの高さの滝があった。
あたりは「ドドドドド」と川の水が大きな岩を流れる落ちる音だけがひびいている。
滝を境にして、下流の方はコンクリート護岸もない、草木におおわれた田舎らしいゆるやかな流れ、一方、上流の方は、真新しいコンクリートの護岸が続いている。
ふと流れる滝のとなりにある岩をみると川の水がとおった跡がある。
まったくの想像だが、以前、滝はこの岩にあり、この上流の護岸工事で川の流れがかわったため、滝の場所が現在の位置に移動したのだろうか。
鹿児島県横川町にある尾田ノ滝を後にし、道路に戻ると道端に小さな水神様がまつられていた。
あまりに小さく、道路の隅にあったので、来るときは気づかなかった。
「そうか滝を探すときは水神様を目印にいけばよいのか」
水神様には、よく読みとれなかったが「昭和二十一年五月」と年号が記されていた。
しかし、こうやって水神様がまつられているということは、昔はこの滝を訪れる人も多かったのであろうか。
今、滝は、ガードレールをまたいで、道なき川岸を進んで行くしかないのだが・・・。