~過去に書いた旧グリーンピア指宿に関する日記をアップ~
●サヨウナラ「グリーンピア指宿」
2002年春。
大規模年金保養基地・グリーンピア指宿の巨大な観覧車が夕陽に照らされている。
薄暗くなった無人のグリーンピア指宿の芝生広場に大きくそびえる観覧車は不気味だ。
黄緑の芝生、緑の山々といった平穏な景色の中にたつ鹿児島県指宿市にあるグリーンピア指宿の観覧車は、周囲の景色から浮いている。
グリーンピア指宿の観覧車は異様なものにみえる。
鹿児島県指宿市をはじめとして、薩摩半島を原付バイクで旅行中の私。
鹿児島県指宿市にある池田湖をあとにしたわたしは東へほどなく走り、ホテル、プール、遊園地、テニスコートなどが山にひろがる大規模年金保養基地「グリーンピア指宿」までやってきた。
財団法人年金保養協会が運営する「グリーンピア指宿」は、国の特殊法人改革により、2002年5月末で運営停止になる。
売却入札問題で揺れている全国のグリーンピア施設のひとつ。
わたしは、宮崎での大学生時代にグリーンピア指宿に遊びに来たこともあるし、泊まったこともあるので、もう日が暮れようかという頃だったが、見おさめにやってきた。
無人の広大なグリーンピア指宿の芝生ひろばに立つと、夕陽に照らされた大きな観覧車がみえたのだった。
まわりの景色から浮いたそのグリーンピア指宿の観覧車に近づいてみる。
グリーンピア指宿の観覧車は、運転はすでに終了していた。
ハリガミが貼ってあった。
用途不用となったその巨大な鉄の塊は、廃墟のような寂れた雰囲気にあふれていた。
あまりにグリーンピア指宿の観覧車が大きいので、観覧車は、何か得たいの知れない大きな生物の死体のように見えて、体が震えるほどに恐ろしかった。
観覧車を離れ、芝生の広がるグリーンピア指宿の公園内を歩いてみるも、ベンチ、遊具はさびついている。
経営がうまくいっていないから、長らく手直しもされていないのだろう。
おそらく、閉鎖までこの状態だろう。
歩くごとに、さびついたベンチや遊具、街灯などがあらわれ、グリーンピア指宿の経営難がヒシヒシと伝わってくる。
グリーンピア指宿は「閉鎖モード」にあふれている。
グリーンピア指宿の公園をあとにし茶色の大きなホテルに向かった。
途中にあるグリーンピア指宿のプールはにごった緑色。
何年も水を変えていないような、見るからにヤバイ色だった。
何か変な生き物でもいそうだ。
そのすぐ先にあるグリーンピア指宿の小さな店舗が連なる建物は、空いた店舗に無造作にものが置かれ、寂れ具合がすごい。
その先にある大きなグリーンピア指宿のホテルへ入ると、ホテルだけは普通どおりのようで、お客の姿がひと組、ふた組あった。
そんな閑散とした広大なグリーンピア指宿の施設内で人があふれるところがあった。
一角にあるゴルフの打ちっぱなし場だった。
仕事帰りらしいお父さんたちがクラブをにぎっていた。
場内には、グリーンピア指宿のゴルフ施設の存続を願うハリガミが貼ってあった。