●山川駅と山川港をたずねる
鹿児島県薩摩半島を原付バイクで旅行中の私。
鹿児島県指宿市をあとにしたわたしはとなり町、山川-根占フェリー(国道フェリー)が発着する山川港で有名な鹿児島県揖宿郡山川町にある山川駅にやってきた。(現、指宿市)
山川港をのぞむ山川駅は駅員がいる駅としては「日本最南端」の駅である。
ちなみにほんとうの日本最南端の駅はこの二つ先の無人駅、西大山駅である。
わたしが幼い頃、産まれ故郷、みちのく・東北での幼少時代に読んだ鉄道の本に、日本最南端の駅として山川駅の写真がのっていた。
記憶に残る本で見た写真と実際の風景とをあわせてみる。
本を読んでから二〇年後。
いまこうして鹿児島に住み、原付バイクでおとずれるとは夢にも思わなかった。
わたしはその後、対岸にある、山川-根占フェリー(国道フェリー)が発着する山川港へむかった。
対岸といっても陸続きになっており、地形はコの字型になっている。
この地形が「山川港は天然の良港」といわれるゆえんらしい。
山川港の造船所の大きなクレーンを横目に海辺の道を走り、ほどなく山川港にたどりついた。
大型の保冷トラックをすっぽりとおおうほどの大きな市場が山川港に横たわっている。
山川港は、さきほどの指宿の港とは大違い。
市場の向かいには山川港の直販所があった。
おそらく、鹿児島県揖宿郡山川町漁業協同組合が経営しているものではないか?。
ナマモノでも売っているのか、と思ってのぞいてみると、漁で使う網や長靴がおいてあり、観光客向けではなく、山川港で働く漁師の方向けの店であるようだ。
それでも、山川名産のつけもの「つぼづけ」はおいてあった。
大根をつぼで漬けたもので、これがカリコリとした歯ごたえがあり、なかなかうまい。
わたしの好きなつけものの、ベストスリーには入るだろう。
何も買わないつもりだったが、思わずつぼづけをもってレジへ向かってしまった。