●国旗なびく鹿児島県指宿市
2002年、春。
南九州は、鹿児島県指宿市観光旅行にでかけた私。
鹿児島県鹿児島市より、喜入町を抜け、観光都市指宿市に入った途端、道路沿いの民家、レストランの軒先に青、白、赤の小さな国旗がなびいている。
観光地として有名な指宿市は2002年サッカーワールドカップのフランスチームのキャンプ地に選ばれたところ。
一九九八年のワールドカップで優勝したフランスチームが来るのだから、観光都市指宿市だけでなく、喜入町など周辺自治体でも国旗をかかげ、もりあがってもいいと思うのだが。
観光都市指宿市に入った途端に国旗が目立つと、余計、周辺の町はとなりの町のことは関係ないようにみえる。
サッカーのことはよくわからないが、フランスチームが数多くのキャンプ候補地の中から鹿児島を選び、やって来るのだから、もっと全県的にもりあがってもいいのでは、と余計なお世話を考える。
●さびしいアーケード街
「ほんとうにあのフランスチームがやってくるのだろうか」
指宿港をあとにし、観光都市指宿市の中心街、JR指宿駅前から続くアーケード街を歩いていたわたしはあっけにとられた。
観光温泉地、指宿の中心街を歩いてみたくおとずれた。
指宿観光旅行で訪れた人は歩くことはないであろう。
しかし、昼間のアーケードは無人。
通行する人の姿もない。
店は閉じているところが多く、さびれ、強いひざしだけがアーケードにふりそそいでいる。
アーケードに掲げられたフランス国旗だけがさびしく風になびいている。
指宿観光旅行で訪れたわたしは、あまりに静かな光景に、本当にあの強豪フランスチームがやってくるのかと思った。