●千葉ロッテ二軍キャンプ地の東市来町「湯之元球場」
2002年、春。
プロ野球千葉ロッテマリーンズの二軍キャンプ地、鹿児島県日置郡東市来町(現、日置市)「湯之元球場」は寂しい球場だった。
こけけ王国とも言われる鹿児島県東市来町湯之元の温泉街をあとにしたわたしは湯之元の街から小高い山を越えた向こう側にある鹿児島県東市来町「湯之元球場」にやってきた。
寂しくみえたのは、夕暮れ時で風が冷たく、人の姿がなかったせいかもしれない。
それにしても、教育健康関連の公共事業で、立派な野球場が各地にできる昨今、鹿児島県東市来町「湯之元球場」は、プロ野球チームがキャンプにくるにしてはそれほど立派な球場ではなかった。
鹿児島県東市来町「湯之元球場」は、古びたスコアボートの立つ小さな球場だった。
これなら、どこかよその町の立派な球場でもいいような気がする。
きっと、鹿児島県東市来町「湯之元球場」が選ばれたのは、一軍のキャンプ地である鹿児島市に近く、また湯之元は温泉旅行観光地だけに宿の手配がとりやすかったのかな、などと一人、想像をしながら、わたしは夕暮れの東市来町「湯之元球場」をあとにした。