ローカル私鉄写真集、ローカル線鉄道私鉄路線、北海道東北、関東、中部、関西、中国四国、九州

●まだまだ多くのローカル私鉄、私鉄ローカル線が走っていた1980年頃

突然ですが、あなたは、ローカル私鉄(私鉄ローカル線)はお好きですか?。

ローカル私鉄って魅力的ですよね。

JRにはない、個性的な表情の車両が走っていますよね。

また、ほんとうに列車が来るのだろうか、と思ってしまうような草ぼうぼうのレールに簡素な作りのホームというのどかな光景もまた、立派な設備のJRにはない魅力がありますよね。

確かに、ローカル私鉄の路線は魅力にあふれていますが、時代が進むにつれ、一つ、また一つと廃止となっていますよね。

例えば、そう、今から20年ほど前、1980年頃は、まだまだ多くのローカル私鉄、私鉄ローカル線が走っていましたねぇ。

冒頭にあげたような、個性的な表情の車両が草ぼうぼうのレールの上をヨロヨロとたよりなく走っていた光景がまだ全国にみられました。

三菱石炭鉱業(北海道)、南部縦貫鉄道(青森県)、筑波鉄道(茨城県)、新潟交通(新潟県)、蒲原鉄道(新潟県)、野上電気鉄道(和歌山県)、有田鉄道(和歌山県)、別府鉄道(兵庫県)、同和鉱業片上鉄道(岡山県)、下津井電鉄(岡山県)、岡山臨港鉄道(岡山県)、鹿児島交通(鹿児島県)など今はなき多くのローカル私鉄路線がまだまだ元気で活躍していました。

また、現在でも生き残っているローカル私鉄にも、今から20年ほど前、1980年頃は、古い車両がまだまだ元気で活躍していました。

 

●賑やかだった1980年頃のローカル私鉄を旅してみませんか?

この今から20年前、手にとるような昔、身近な昔、まだ記憶がしっかりしているころの時代のローカル私鉄、私鉄ローカル線を旅してみませんか?。

今はもう戻れない、懐かしの思い出の光景に出会ってみませんか?。

実は、今から20年ほど前、1980年頃の全国各地のローカル私鉄を収めた写真が「20世紀なつかしのローカル私鉄」((ヤマケイレイルブックス)として、一冊の写真集になっております。


20世紀なつかしのローカル私鉄 (ヤマケイレイルブックス)

「20世紀なつかしのローカル私鉄」

この本、写真集をご覧になると、1980年前後の懐かしい全国各地のローカル私鉄路線の姿を楽しむことができます。

この本、写真集をパラパラとめくると、各私鉄とも、車両の表情が実に様々でおもしろく退屈しません。ローカル私鉄ならではの光景と言えるでしょう。

例えば、スマートな湘南スタイルの電車があるかと思えば、真っ直ぐに断面を切っただけののっぺりとした顔のディーセルカーもあります。

また、美しい流線型の車両があるかと思えば、国鉄のディーゼルカーと似た表情の顔の車両もあり、実に表情が豊かです。

このような個性的なローカル私鉄の車両の表情はとても愉快で、きっとあなたの心を楽しませてくれるでしょう。本当にながめているだけでとても楽しいですよ。

本、写真集をめくるたびにローカル私鉄の楽しい世界が広がります。

この「20世紀なつかしのローカル私鉄」の大きさはB5横ほどで、紙面いっぱいにカラー写真が広がります。

ページ下の方、隅には、写真や路線の説明がカンタンにしてあります。

写真が大きく、説明は簡単で読みやすいです。1鉄道につき、1~3ページほど紙面を費やしています。

シンプルでわかりやすい構成です。

写真の数は全部で108点です。

108点全ての写真がカラーで収録されており、とても楽しめます。

それで1,260円ですから、結構お得かもしれませんね。

参考までに、この写真集「20世紀なつかしのローカル私鉄」に掲載のローカル私鉄路線を下記にご紹介いたいします。

 

写真集「20世紀なつかしのローカル私鉄」に掲載のローカル私鉄路線

■北海道・東北

三菱石炭鉱業、十和田観光電鉄、津軽鉄道、南部縦貫鉄道、弘南鉄道、同和鉱業小坂鉱業所、岩手開発鉄道、栗原電鉄、福島交通

■関東・上信越

筑波鉄道、鹿島鉄道、鹿島臨海鉄道、日立電鉄、茨城交通、上信電鉄、上毛電鉄、東武鉄道熊谷線、秩父鉄道、銚子電鉄、総武流山電鉄、新京成電鉄、小湊鉄道、伊豆箱根鉄道大雄山線、伊豆箱根鉄道駿豆本線、富士急行、上田交通、長野電鉄、松本電気鉄道、新潟交通、蒲原鉄道

■中部・近畿(関西)

岳南鉄道、大井川鉄道大井川本線、豊橋鉄道渥美線、三岐鉄道、富山地方鉄道、北陸鉄道石川線、北陸鉄道浅野川線、北陸鉄道小松線、近江鉄道、京福電気鉄道嵐山線、京福電気鉄道叡山線、加悦鉄道、水間鉄道、野上電気鉄道、有田鉄道、能勢電鉄、別府鉄道野口線、別府鉄道土山線、

■中国・四国・九州

同和鉱業片上鉄道、下津井電鉄、岡山臨港鉄道、水島臨海鉄道、一畑電気鉄道、高松琴平電電気鉄道、伊予鉄道、熊本電気鉄道、島原鉄道、大分交通、鹿児島交通

(「20世紀なつかしのローカル私鉄」より)

次に、特別に、この本を読んでみて、わたしが感じたことを以下に気ままにつづってみたいと思います。よろしければ、お付合いください。

 

▼有田鉄道

この写真集を読んで見て、まず、最初に和歌山県にある有田鉄道の写真に驚かされました。

ちなみにわたしは一度5年ほど前、訪れたことがあります。

終点の金屋口に顔を並べた3両の車両の写真に驚かされました。

写真の両端にはキハ58の姿があり、その真ん中にあるのは、なんと、くたびれた姿のキハ07。

写真集の撮影年には1982年8月とあります。

20年ほど前、有田鉄道にはキハ07もいたのですねえ。

色の鮮やかな大型のキハ58に挟まれる、色あせ哀れなキハ07の姿が印象的です。

なかなかインパクトのある写真です。

さらに、目を引いたのは、2~3両の貨車を引くディーゼル機関車DB20の写真です。

国鉄のDD13をさらに小さくし、二つに切ったようなスタイルです。貨物専用線で働く牽引機関車のようにもみえます。

もっと、言えばNゲージの絶版品のCタイプDL(トミックス)にそっくり!。

これが、塗装のノリもよくきれいな車両にうつっています。

いかにもローカル私鉄向きのディーゼル機関車ですね。

わたしが有田鉄道を訪問した時は、新しくきたレールバスと車庫で眠るキハ58しか姿がみえなかったので、このキハ07とディーゼル機関車の写真には驚かされました。

 

▼岡山臨港鉄道

次にパラパラと見ていて目にとまったのは、1984年に廃止された岡山臨港鉄道のディーゼルカーです。

湘南スタイルで車両の長さが長い気動車が市街地の踏切を横切っている写真です。

いままでこの写真集をめくっていて、車両の長さの短い小さな電車や気動車ばかり見てきたせいもあり、この気動車の長さがミョーに長くみえてしまいました。

また、踏切で待つ車も撮影された時の20年前そのもので懐かしく、結構イイ味だしています。

次のページには同じく岡山臨港鉄道の「おはぎ」のように小さく丸っこい気動車の写真が掲載されています。

市街地の住宅地、遠くには煙突が並び、煙が見える中を貫く線路は、ローカル私鉄に似つかわしくなく、まさに臨港鉄道という感じで、貨物列車しかとおりそうもない感じですが、そんなところをこんな小さな気動車が走る姿が何ともいえないです。

 

▼小湊鉄道

次に気になったのは小湊鉄道のキハ5800の写真です。

現在、コマーシャルやテレビドラマなどにもよくでてくる小湊鉄道には、スマートな気動車が走っていますが、かつては、旧国鉄飯田線で活躍していた買収国電のクハ5800形を改造したという珍しいこのキハ5800も在籍していたのですね。

桜の写真とともにうつるキハ5800の姿があります。

貫通扉のよくあるスタイルで「元電車だ!」と言わないとわからないような表情です。

 

▼栗原電鉄

次は栗原電鉄、現くりはら田園鉄道を走っていた電気機関車ED35の写真です。

田んぼが広がる中を朱色に塗られた箱型の電気機関車がひく貨物列車がうつっています。

いかにもローカル私鉄といった光景です。

このED35は、もとは、なんと、東武鉄道日光線で活躍していたという機関車だそうです。ヒエ~。

これが、あの土産物屋や神社仏閣が並ぶ日光の坂道を走っていたのか、と思うと驚かされます。

わたしがもう10年以上前、栗原電鉄を訪れたときは、もうすでに貨物列車の運転はなくなっていて、ED35は、起点の石越に隣接する東北本線の石越駅構内の方で一人ぼっちでたたずんでいました。くりはら田園鉄道が廃線となった今、ED35は、どうなっているのでしょうか。

 

▼別府鉄道

次は別府鉄道の客車列車の写真が気になりました。

別府鉄道は1984年に廃止となった私鉄です。

DD13を紺色に塗ったような凸型のディーゼル機関車が緑とクリーム色のツートンカラーに塗られた小さな小さなマイクロバスのようなニ軸客車を引く写真があります。

列車は稲穂がゆれる田んぼの中を走っています。

撮影年に1982年とありますが、20年前でもこんなのどかな姿がみられたのだなあ、と感心してしまいました。

ローカル私鉄の風情が満点の鉄道でしたね。

 

▼島原鉄道

次に目がとまったのが、島原鉄道のディーゼルカーです。

正面に細い赤線が三本ある「赤ヒゲ」のついた湘南スタイルの気動車と海辺の堤防上を走る国鉄からやってきた旧型気動車の写真に目がとまりました。

このように島原鉄道というと、わたしには、様々な形の気動車が行き交うというイメージがあります。

それから、長崎本線の急行(キハ58形)の先頭に連結された島原鉄道のキハ55形の写真に目がとまりました。

長編成のキハ58形急行の先頭をこの島原鉄道のキハ55がつとめている写真です。

たった1両だけ連結されているこのキハ55形にも「赤ヒゲ」がついています。

長編成の先頭にたち、「赤ヒゲ」を誇らしげにさっそうと走り去って行くキハ55形の姿がなんとも、たくましくみえてすがすがしいです。

 

▼大分交通

次に目がとまったのは、今はなき廃線となった大分交通の「せきれい」号です。正面に小さな窓が4枚ならぶ国鉄のキハ04のような面構えです。

窓下には「せきれい」の文字で、色は緑とクリーム色のツートーンカラー。

草生した線路の上をさびついた「せきれい」号が走り去る姿は、まるで廃線に打ち捨てられた気動車が眠っているかのような光景です。撮影は1975年とあり、この写真集の中では古い方の写真です。

 

▼茨城交通

次に気になったのは茨城交通の写真です。

海水浴シーズンに上野から直通運転されたキハ58形急行「あじがうら」が緑の田んぼが広がる中を疾走する姿がうつっています。

空は美しい青空で、白い雲もちらほらあります。夏らしい感じがでています。

キハ58系5連の「あじがうら」の先頭には、留萌鉄道からやってきた湘南スタイルの気動車キハ1100形が連結されています。

国鉄の大型気動車の急行を、白に青い帯びの入った湘南スタイルの気動車が先導している姿が、何ともいえないです。

まさか、キハ1100形も留萌鉄道からやってきて、茨城で国鉄の急行を先導するとは思わなかったでしょうねえ。

しかも正面には大きく丸いヘッドマークをつけてまで・・・ 。

 

お付合いいただきありがとうございました。

 

休日にのんびりとローカル私鉄を巡る旅へ

写真集「20世紀なつかしのローカル私鉄」を読んで、休日にでも、のんびりとローカル私鉄に思いをはせてみてはいかがでしょうか。

この写真集には、1980年頃のローカル私鉄が実にシンプルにコンパクトに一冊にまとめられています。

興味のある方は、入手困難となる前に、この「20世紀なつかしのローカル私鉄
」をぜひ、読んでみてはいかがでしょうか。

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