●東京都心の渋谷駅まで、小さな路面電車の車両が乗り入れていた「玉電(玉川電車)」
玉電(玉川電車)をご存知ですか?
玉電(玉川電車)は、明治40年に東京都の渋谷~玉川間の開業を皮切りに、砧(きぬた)線、世田谷線、天現寺線、中目黒線、溝ノ口線を開通させました。
玉電(玉川電車)は、専用軌道と道路上を走る併用軌道からなり、東京都心の渋谷駅まで、小さな路面電車の車両が乗り入れていました。
現在は、世田谷線だけが残っています。
●「ペコちゃん」の愛称で親しまれた東急玉電200形
玉電(玉川電車)で、特筆すべき点の一つにかわいらしい電車が走っていたことがあげられます。
これは、デハ200系で、丸みを帯びた斬新なスタイルから「ペコちゃん」の愛称で親しまれました。
「ペコちゃん」とは、もちろん、お馴染みのお菓子屋さん「不二家」のキャラクターのことです。
また、賑やかなターミナル駅、渋谷に1~2両ほどの小さな玉電(玉川電車)の電車が乗り入れていたというのも、今となっては信じられない光景です。
さらに、道玄坂のあたりは併用軌道で、道路上を路面電車が走っていたというのも、今では想像がつきません。
●渋谷、道玄坂を走った「玉電(玉川電車)」を探る旅へでかけませんか?
こんな、かわいらしくもあり、懐かしい玉電(玉川電車)を旅してみませんか?
実は、玉電(玉川電車)の姿を収めたものが「玉電が走った町 今昔」(編著:林順信/発行:JTB/JTBキャンブックス)として一冊の本になっております。
この「玉電が走った街今昔~世田谷の路面電車と街並み変遷一世紀~」をご覧になりますと、豊富な写真と詳細な解説文で、玉電(玉川電車)の姿を楽しむことができます。
「ペコちゃん」ことデハ200系の姿はもちろんのこと、渋谷駅に乗り入れた様子、道玄坂の道路上を行く電車の姿など、貴重な写真がたくさん見ることができます。
また、本文の解説文も路線の歴史や各停留所のエピソードなどが非常に満載で、玉電(玉川電車)の姿をよく理解することができます。
●三段階もの定点観測が楽しめる「玉電が走った町 今昔」
この「玉電が走った町 今昔」で最も注目したい点が掲載の写真です。
玉電(玉川電車)が走っていた頃と現在との姿との対比が、定点観測で一目でわかるようになっているのです。
まあ、定点観測が楽しめる、というのはよくある話しです。
しかし、この本では、三段階もの定点観測が楽しめるのです。
これはどういうことかというと、「廃止直前」、「廃止後15年」、そして、「現在」と3段階での定点観測が楽しめる内容となっています。
世田谷の街並みや道路、風景の移り変わりが3段階でお楽しみになれます。
これは、本当にすごいです。
また、編著者のジャーナリスト林順信氏と、今年(2003年)亡くなられた作家、宮脇俊三氏の興味深い対談も載っています。
この「玉電が走った町 今昔」一冊で、玉電(玉川電車)の姿が存分を楽しむことができます。
興味のある方は、絶版や売り切れとなり入手困難となる前に、今すぐこの「玉電が走った町 今昔」をぜひ、読んでみてはいかがでしょうか。