●おすすめ鉄道廃線跡の本をご紹介
あなたは、鉄道の廃線跡を歩くことはお好きですか? 。
鉄道廃線跡歩きって魅力的ですよね。
人里離れた山奥に残るポッカリと口を開けたトンネル、流れの早い川に必死にしがみつくかのように残る橋脚、かつては多くの列車が行き交った今は人影がまったくない無人の鉄道廃線跡(路盤)・・・ 。
「よし、鉄道廃線跡歩きの旅にでかけよう!」と思っても、時間がなくて、なかなか出かけられないのも事実。
そこで、そんな鉄道廃線跡歩きのワクワク、ドキドキがご自宅に居ながらにして、安全に楽しめるオススメ鉄道廃線跡の本をこのページにわざわざアクセスくださったあなただけにご紹介いたします。
●愛知県、静岡県、岐阜県、長野県、石川県、福井県、新潟県など中部信越地方の鉄道廃線跡の旅を楽しむことができる「廃線跡懐想 中部信越編」
さあ、今回ご紹介するのはこの本です。
- 「廃線跡懐想 中部信越編」(~ヴィークル・グラフィック~/巻頭紀行:宮脇俊三/発行:JTB)
この「廃線跡懐想 中部信越編」をご覧になると、愛知県、静岡県、岐阜県、長野県、石川県、福井県、新潟県など中部信越地方の鉄道廃線跡の旅を楽しむことができます。
豊富で鮮やかな写真と情緒ある紀行文があなたを鉄道廃線跡の旅の世界へ誘います。
ページ一杯に広がる写真は写真集としても楽しむことができます。
本をめくってみると本当にこれは写真集としても楽しめるなあ、と感じます。
また、掲載の趣き深い紀行文を併せて読むと、さらに鉄道廃線跡の旅が楽しめます。
「廃線跡懐想 中部信越編」の巻頭には、宮脇俊三氏の過去に発表された紀行文も掲載されており、さらにあなたを旅の世界へ誘います。
鉄道廃線跡が現役のときの乗車記、もしくは、廃線跡を歩いたときの探訪記が楽しめます。
駅やトンネル、橋の跡など鉄道廃線跡の写真が楽しめるのはもちろんのこと、鉄道廃線跡が現役の時の貴重な写真も数多く掲載されていますので、興味深くお読みいただけます。
さすが大企業JTBだけに、これだけの多くの貴重な写真を集められたのではないか、なんて思ってしまうほどです。
では、「廃線跡懐想 中部信越編」でご覧になれる旧国鉄・私鉄の廃止路線の一部を私なりのコメントを添えてご紹介いたしましょう。
●草軽電気鉄道(長野県・群馬県)
いやあ、軽井沢と草津を結ぶ鉄道があったとは驚きですなあ。
しかも軽便で、浅間山の麓、森の中をノロノロと走った(車両にトイレはあったのかな?)なんて・・・ 。
深い森の中にたたずむ橋脚などの廃線跡の写真をみるとまるでこりゃー森林鉄道ですよ。
アメリカ製のL型電気機関車デキ12はいい味だしてますな。まるで、鉱山などで、トロッコを引く小型機関車のようですものね。
無骨な表情のこの機関車が客車、貨車を引いて走ったとは驚きですな。機関車はその風貌からカブトムシと呼ばれたとか。
●布引電気鉄道(長野県)
ナンと読むのでしょうか。
信州に縁のないわたしにはわかりません。観音様で有名だとか。
それはそうと、信越本線に並行して走っていたのですね。
そりゃー経営は苦しくなるわけだ。
廃線跡となるのも仕方あるまい。
今でも千曲川に残る70年前の橋脚の写真はすごいですな。なぎたおされているものもありますし・・・ 。
●上田丸子電鉄丸子線(長野県)
やあ、上田市(長野県)近郊には結構たくさんの鉄道があったのですねえ。
地方の中核都市並ですなあ。
上田市街地の東には上田東という駅があったりしてすごかったのですねえ。
丸子へも丸子線、西丸子線と二つの路線が来ていたし、すごかったのですねえ。
●北陸本線旧線杉津越え(福井県)
敦賀のあの風光明媚な旧線ですな。
箱型の大型ディーゼル機関車DD50、DF50のモノクロ写真がグッド。
箱型のどっしりとした重厚感。
いやーすごいすごい。実物をみてみたかったですなあ。
●尾小屋鉄道(石川県)
軽便鉄道としては結構最後まで残っていた方ではないでしょうか。
廃線跡は昭和52年です。わたしは、軽便の電車である近鉄北勢線には乗ったことがあるのですが、軽便のディーゼルという尾小屋鉄道もなかなかいい感じだったのだと思います。
山の中にある終点の尾小屋駅跡には行ってみたいなあ。保存車両もあるようだし。
●京福電気鉄道永平寺線(福井県)
福井もまた、昔は結構鉄道が網の目のようにはられていたのですねえ。今もJRと並行していくつかの路線が走っていますけど。
福井市は人口はどのくらいでしょう。30万ほどでしょうか。30万規模の都市では鉄道交通に恵まれているほうではないでしょうか。
この永平寺線は永平寺と芦原温泉、東尋坊を結ぶ目論みがあったようですね。
●北陸本線旧線親不知海岸、北陸本線旧線能生・名立付近、信越本線旧線米山海岸付近(新潟県)
日本海沿いをずっと車で移動したことがあったのですが、何も廃線跡の知識もなくとおりすぎたのですが、車窓からトンネルや築堤跡らしき道がみえて、いかにも廃線跡だというところがあったのですが、これらの路線のことだったのですねえ。
同じくこの日本海沿いのラインを通った方は気付いた方が結構いるのではと思います。
車でとおりすぎただけ、しかもチラッとみただけ、もちろん、凝視することは運転中だったのできませんでしたが、こんな感じだったのかと感激しながら写真を眺めました。
時間がなかったので立ち寄ることはしませんでしたが、時間があれば廃線跡を訪ねてみたいですね。浜辺の寂れた船小屋も。
●東海道本線旧線大崩海岸(静岡県)
見開き2ページに広がる海岸沿いの崩れたトンネルの写真。トンネルが真っ二つ。片方は山手にはりつき、もう一方は海岸へ転がる・・・ 。
これぞ廃線跡。
これにつきます。本当に「大崩」海岸や。
●静岡鉄道駿遠線(静岡県)
マジ? 。
すご~い。すご~い。広大な大井川の河原をたよりない木橋が横切り、その上を軽便の小さなディーゼルカーがソロリソロリとかけていく。
すごい写真だ。しかもカラー。
湘南タイプの気動車もいい味だしています(こっちはモノクロ)。
●北恵那鉄道(岐阜県)
木造の中津川駅舎とホームに顔をそろえた古びた電車がいいですなあ。
本当に地方の「電鉄」という感じでいいです。
Nゲージのレイアウトでつくってみたい、そんな感じがわいてきます。
廃線跡となったのが惜しいですね。
●内容盛りだくさんの「廃線跡懐想 中部信越編」
さて、いくつか「廃線跡懐想 中部信越編」に掲載の旧国鉄・私鉄の廃止路線についてコメントしてみましたが、他ににはどんな鉄道廃線跡が収録されているのか気になりますよね。
そこで、「廃線跡懐想 中部信越編」の全掲載路線を目次から抜粋してみました。どうぞご覧になってみてください。
どんな旧国鉄・私鉄の廃止路線が載っているかな? 。
- 草軽電気鉄道
- 布引電気鉄道
- 上田丸子電鉄丸子線
- 上田丸子電鉄真田傍陽線
- 善光寺白馬電鉄
- 篠ノ井線旧線
- 中央本線旧線立場川橋梁
- 中央本線旧線
- 北陸本線旧線杉津越え
- 尾小屋鉄道
- 京福電気鉄道永平寺線
- 北陸本線旧線親不知海岸
- 北陸本線旧線能生・名立付近
- 信越本線旧線米山海岸付近
- 飯田線旧線
- 東海道本線旧線大崩海岸
- 静岡鉄道駿遠線
- 遠州鉄道奥山線
- 豊橋鉄道田口線
- 北恵那鉄道
- 近畿日本鉄道旧木曽・長良・揖斐川橋梁
「廃線跡懐想 中部信越編」より
なお、巻末には、本文で取り上げられた廃線跡の略年表と北恵那鉄道の列車運行図表が掲載されています。
ちなみに、巻頭にある宮脇氏の紀行文は、
- 草軽電鉄(「失われた鉄道を求めて」)
- 清水港線(「時刻表2万キロ」)
- 新潟交通・蒲原鉄道(「時刻表おくのほそ道」)
- 親不知(「日本探見二泊三日」)
- 福井鉄道南越線(「時刻表おくのほそ道」)
- 北陸本線の廃線トンネル(「車窓はテレビよりおもしろい」)
「廃線跡懐想 中部信越編」より
となっております。かっこ(「」)は出典書名です。
懐かしい国鉄、私鉄の路線ばかりで、内容盛り沢山ですね。
この「廃線跡懐想 中部信越編」は、本当に、掲載の紀行文、写真の内容量が多く、また質も高く満足して楽しめる本です。
何より、紀行文には宮脇俊三氏の作品も掲載されていますからね。
今度のお休みにでも、「廃線跡懐想 中部信越編」をご覧になりながら、休日にのんびりとゆっくりと鉄道廃線跡の旅に思いをはせてみるのも、いいかもしれませんね。
「廃線跡懐想 中部信越編」に興味のある方は、絶版や売り切れとなり入手困難となる前に、読んでみてはいかがでしょうか?。