●大正７年にわが国２番目の森林鉄道として開業した「魚梁瀬森林鉄道」（高知県）
魚梁瀬森林鉄道（やなせしんりんてつどう）をご存知ですか？ 。
魚梁瀬森林鉄道は、四国地方、高知県東部の山奥深くで伐採した木を麓の港まで運んだトロッコ鉄道、軌道です。
大正７年にわが国２番目の森林鉄道として開業しました。
当初は人力による動力でした。
しかし、後に、なんと、犬（雑種）、牛へと動力が変わりました。
その後は、蒸気機関車、内燃機関車へと動力は変わり、大規模なダム建設のため昭和38年に廃止となりました。
廃止、廃線後しばらくたった平成３年に魚梁瀬森林鉄道が走った馬路村に馬路村保存鉄道がオープンしました。
これは、保存されていた魚梁瀬森林鉄道の機関車が客車をひいて走るものです。
この保存鉄道は、「ゆず」で村おこしを図ったことで名が知られる馬路村の目玉のひとつとして、注目を浴びています。
●総延長が250キロメートルにも達した「魚梁瀬森林鉄道」で活躍した車両たちとは？
この魚梁瀬森林鉄道は、総延長がなんと約250キロメートル（km）と、全国各地の山々を走った森林鉄道の中でも際立って路線長があり、そのため様々な車両が走っていました。
動力の管が丸見えのアメリカ・シェイ式機関車、戦時中のガソリン不足から木炭で燃料をまかなった木炭ガス機関車、森林鉄道の機関車としては著名な酒井工作所、加藤製作所のスマートな機関車、森林鉄道には珍しい客車、ワンパク坊主のような顔をした小さなモーターカー、貯木場で活躍した自走式クレーンなどなど様々な車両がいました。
また、魚梁瀬森林鉄道は、250キロメートルもの長い路線長ゆえ路線の形状も実に多種に富んでいました。
河口の広い河原を何棟もの大規模なトラス橋で抜けたり、山の急傾斜にケーブルカーのようにレールを敷き、ワイヤーでトロッコを上げ下げした「インクライン」があったり、細くたよりない木材を組んだ上にレールを敷いた粗末な「作業軌道」があったりなど、様々な形状の路線がありました。
特に、山で働く人たちの生活の場となった深い山の谷間にある「魚梁瀬」、「馬路」の集落の商店や旅館が並ぶメインの通りを森林鉄道の線路が貫いている姿は圧巻でした。
このように魚梁瀬森林鉄道には実に興味深い様々な車両や路線がありました。
●総延長が250キロメートルにも達した「魚梁瀬森林鉄道」を旅してみませんか？
こんな、ユニークな車両、路線がいっぱいの魚梁瀬森林鉄道をご覧になってみませんか？ 。
総路線長約250キロメートル、全国で２番目に開業した歴史ある魚梁瀬森林鉄道が「魚梁瀬森林鉄道」（著作：舛本成行/発行所：ネコ・パブリッシング）として、一冊の本となっております。
この「魚梁瀬森林鉄道」をお読みになりますと、戦前、戦後の貴重な写真と、魚梁瀬森林鉄道の歴史がわかる詳細な本文で、森林資源の輸送に活躍した魚梁瀬森林鉄道の姿を楽しむことができます。
また、掲載の写真は、車両や路線だけでなく、人々の生活の様子も写しこまれていますので、当時の暮らしぶりをうかがうことができ、大変価値あるものです。
この「魚梁瀬森林鉄道」をお読みになりますと、魚梁瀬森林鉄道の多彩な顔をした車両たちや、興味深い路線の姿、人々の生活ぶりなどを楽しむことができます。
さらに、本文中には、機関区があった駅の構内路線図も掲載されており、森林鉄道ファンには、注目の一冊です。
興味のある方は、絶版や売り切れとなり入手困難となる前に、今すぐこの「魚梁瀬森林鉄道」 をぜひ、読んでみてはいかがでしょうか？。
